イギリスの商標制度
イギリスはかつてEU(ヨーロッパ連合)に加盟していたため、EU法が効力を発し知的財産権が保護されていました。しかしEU離脱かつ移行期間が終了した現在となっては、EUの知的財産制度から離脱したため、一部の商標権や意匠権がイギリス内において有効で無くなるという影響も生じています。ここではイギリスの商標権について紹介します。
イギリスの商標制度の概要
イギリスにおける商標権は、英国知的財産庁(UKIPO)に出願し審査を受け、承認されることで登録がなされます。また、EUにて登録済みの商標についてはそれぞれ新しい番号を付与され、再登録されています。
イギリスにおける商標権は早く出願・登録した人に権利が与えられる出願主義となっていますが、未登録商標の先使用についてはコモンローに基づき詐称通用が適用されるものとなっています。イギリスの商標出願の流れ
イギリスにおける商標出願を直接出願で行う場合は、願書に記載する氏名や住所を英語で表記する必要があります。また、マドプロ出願も行うことが可能であり、それぞれ審査を受けた上で公告・承認・登録がなされます。
出願から登録までの期間は約6か月となっており、異議申立期間は出願公告日から2か月間となっています。審査に抵触する先行商標が発見された場合においても、拒絶理由は出さず先行商標を示した審査レポートが出願人へと送付されるようになっています。
イギリスにおける商標制度の特徴
登録できる商標の種類 | 文字、図形、記号、立体的形状、単色の色彩、色彩の組み合わせ、これらの結合、音、動き、ホログラム、位置、香り、団体商標、証明商標 |
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登録できない商標の種類 |
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出願から登録までの期間 | 約6か月 |
更新期間 | 出願日から10年が存続期間で、存続期間満了日前6か月以内が更新期間 |
異議申立期間 | 出願公告日から2か月間 |
登録商標が取り消しされることはある? | イギリスにおいて登録されている国際商標は、不使用になっている場合や普通名称となっている場合、誤認を生じさせる恐れがある場合などにおいて、第三者から取消申請を受けることがあります。取消が認められてしまうと、取消請求日から商標権が消滅したものとしてみなされますが、UKIPOないし裁判所において取消理由が更に早い日に存在していたと認められた場合においてはその時点から消滅したものとみなされます。 |