人工知能の創作物の著作権について(TOPICS)

人工知能の創作物の著作権について(TOPICS)人工知能(AI)の創作物の知的財産制度上の取り扱いをどうするか、安倍晋三首相を本部長とする国の知的財産戦略会議が検討を行っています。会議では、人工知能の研究者や法律関係者などが協議し、3月中にも、国としての考えをまとめることにしています。AI創作物とは人工知能による生成物を意味します。

現在、人間がAIを道具として利用した創作物には著作権が認められていますが、AIの創作物は、思想や感情を表現したものではないので、権利の対象とは考えられていません。しかし今後の技術革新により、AIが人間と同レベルか、はるかに高い品質で創作ができるようになった場合、人間の創作物と、AIの創作物の見分けがつかなくなる事態が起こりえます。

AI自体がつくりだしたものであっても、「AIを使って人間がつくりだしたものである」と言えば著作権が発生するため現行の制度上では権利のある創作物が爆発的に増えることが予想されます。実際に自動作曲システムではわずか数秒で1曲を作る能力を備えるものも登場しています。

今後はAIを利用できる人、例えば開発者や所有者による権利の独占がおき、その結果、個人であるクリエイターが窮地に追い込まれる状況も懸念されます。

AI創作物を念頭においた新たな権利保護の枠組み作りが急がれており、国による今後の議論に注目が集まります。

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